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2日目(4月8日)



 朝からかなり重い雪が降る。高標高部では強い風が伴って、視界がほとんどきかない。すべっていると、雪が顔に容赦なく当たり、痛いのなんのって。
「おれ、吹雪いてるときにスキー・スノボするの嫌なんだよね。これが続くようだったら、ホテルのプール入りに行こうよ。」
「岡本さんって北海道育ちのくせに、リゾートスキーしかいないんですね。」
 Yasに揶揄されたけど、ジモティは天気の悪い日にわざわざすべったりしないの。関東の人みたいになにがなんでも、是が非でもとあくせくしないでよいのが地元の特権なんだから。
 そんな中、初日にファンスキーを楽しんでいたjawaがスノボに挑戦するという。ずぶの初心者ではないものの、危なっかしいだろうとスノボ先輩のぼくがサポートしたんだけど、なかなかどうしてお上手で、ぼくが抜かれる日もそう遠くはないかも・・・ピンチ。と誉めてると、jawa、午前中Eastのゴンドラ乗り口で迷子に・・・。悪天候を考えると、とっても心配だというのに、頼りのれたうり坊・まるじ組は寝坊のため遅れてる。くや探結成以来初めての事故・・・不安が脳裏をよぎるも、昼食時になんとか全員合流でき、一同ホッ。
 みんなの不安が晴れるのと時を同じくして、空のほうも晴れ上がってきた。午後からは風も止み、リゾートスキーを満喫できたのだ。
「午前中の天気のままだったら部屋に帰ろうと思ってたの。」
 まるじもぼくと同じことを考えていたらしい。
 そうそう、有珠山の噴火が見られるスポットをいくつか発見。Yasはすっかりご機嫌でデジカメを構えている。
「明日、レンタカー借りて有珠山見に行こうと思ってたんだけど、冬場はレンタカーやってないって言われたし、交通規制であまり近づけないっていうから、一眼レフここに持ってきて写真撮ることにするよ。」
 良かったね、Yas。
 2日目の夕食も和食レストラン。ビールで乾杯!するとjawa、
「ヒック、なんかおれビール飲むと必ずしゃっくりするんだよなぁ。」
「あっ、わたしもいつもビール飲むとくしゃみが出るんですよ。アレルギーですかねぇ。」
 まるじも体調の変化を話すので、負けじとぼくも、
「ぼくもビール飲み過ぎると足の親指が痛くなるんだよなぁ・・・」
 一同、
「それはツーファーでしょっ!」
 この日はセット料理ではなく、一品料理をたくさん注文。魚貝類の刺身、たらば蟹焼き、ほっけの開きに加え、店のお姉さんが勧めてくれた毛ガニ(メニューには載っていない)などなど。北海道の味覚を堪能しながらも〆は「うに・いくら丼」でダメ押しだぁ!
 夕食時及び部屋へ戻ってからの話題のほとんどがjawaの新しい彼女のこと。ところがjawaときたら、のらりくらりとかわすばかりでなかなか口を割らない。調子に乗ったか、
「まっ、ひとつ言える事は、少ないチャンスは逃さずに必ずモノにするってことかな。」
などと大きな態度をとったりなんかして。これまで、いくつもの春を逃した男の言う台詞かって。
 jawaの口をなめらかにするため、Yasの最近の交際状況などを交え(こちらはなかなかショッキング)たんだけど、効果なし。
 とその時、jawaの携帯電話の履歴を見ていたぼくが怪しい名前「○○○○」を発見、そこから推理を展開したところ、「絶対違う!」とのひと言を残して、jawaが貝のように口を閉ざして閉まった。
 はたして、ぼくらの推理はHitしたのだろうか・・・。

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